子どもが学校を休みがちになってきたとき、保護者の方は「これって、登校拒否なの?」「学校を何日以上休んだら『登校拒否』になるのだろう?」などと、不安に思うことがあるかもしれません。
「登校拒否」という状態には、定義があります。厚生労働省は、以下のように定義しています。
何らかの心理的、情緒的、身体的若しくは社会的要因又は背景によって、児童生徒が出席しない又はすることができない状況(病気又は経済的理由による場合を除く。)
文部科学省の調査では、「不登校」の定義において、「不登校」と判断される欠席日数が「年度間に、連続または断続して30日以上」と示されています。
年度間に連続又は断続して30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的・情緒的・身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にある者(ただし,「病気」や「経済的理由」による者を除く。)をいう。
先に、文部科学省による「不登校」の定義を紹介しました。では、「登校拒否」と「不登校」はなにが違うのでしょうか?
結論から言うと、現在では、ほぼ同じ意味の言葉として使われています。
日本では従来「登校拒否」という言葉が使われていましたが、現在は「不登校」という言葉が一般的になっています。
子どもが学校を長期欠席する状態をあらわす用語は、時代とともに変遷してきました。古くは1930年代から、「怠学」や「登校拒否」、「学校恐怖症」などのさまざまな呼び名がイギリスやアメリカ、日本などで使われてきました。
日本では、1970年代から1990年代のはじめごろまで、専門家やマスコミなどは「登校拒否」という言葉を使っていました。
しかしその後、学校に行けない理由は多種多様であり、子どもは登校することを必ずしも拒否しているわけではないことから、「登校していない、またはできない状況」を表す「不登校」という言葉が使われるようになりました。
このためこの記事では、現在「不登校」と呼ばれている状態と「登校拒否」は同じものとしてとらえて説明していきます。
不登校になることで何が問題なのか、詳しくは関係省庁等でもほとんど公表されていませんが、起こりうるリスクや問題を見ていきながら一緒に考えてみましょう。
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